本日2016年5月12日、演出家の蜷川幸雄さんがお亡くなりになりました。
蜷川幸雄作品を、いくつ観たでしょう・・・。
ハムレット、ロミオとジュリエット、王女メディア、近代能楽集、天保十二年のシェイクスピア、白夜の女騎士、身毒丸、間違いの喜劇、オレステス、あわれ彼女は娼婦、タイタス・アンドロニカス、ムサシ・・・
ざっと思い出すまま書きましたが、たくさんの舞台を観てきました。
豪華な演出に驚くこともあれば、スタイリッシュでシャープな世界観に引き込まれることもありました。
もう新しい舞台が観れないんだと思うと、ただただ残念です。
私が印象に残っているのは「ロミオとジュリエット、藤原竜也さん&鈴木杏さんバージョン」
セットが色々な人種の顔のアップのモノクロ写真をずらっと並べている抽象的なセット。
それなのにちゃんと世界が見えるんです。
バルコニーに見えるし、部屋の中に見えるし、教会の中に見えるし、道が見える。
ロミオとジュリエットというストーリーと、現代の世界で起こっている問題が交差する。大きな大きな世界観。
演劇だけは、劇場で観る空気感はそこに行かない限り感じられない。いくら映像化されたものをみても、それはまた別のものだと感じます。
だから。もうこれからは二度と観ることができないということ。
蜷川幸雄の世界をもう一度見たかったです。
ご冥福をお祈りします。