大正四谷怪談/藤原竜也・松井誠・田山涼成・寺島しのぶ

演劇


大正四谷怪談

1999年の作品です。いまさらながらDVDにて鑑賞。
4人芝居、舞台は大正時代です。

役者さんというのは・・・本当に凄いと思う。
映画やテレビと違って、舞台なので何回も公演があるわけです。
何度も演ってたら感情が麻痺しちゃうんじゃないかと思うのに、舞台上で涙を流しているんですよね・・・。しかも「わかりやすい悲しい出来事」ではなく、その人の生い立ち・人生が背景にあってこその、悲しさ。
いえ、決して泣くから凄いというわけではないのですが、それでもやっぱり感情の作り方は半端じゃないですよね。表情だけではなく、声や動きにも表れてます。

誰からも愛されることなく育った伊右衛門。
その不幸に唯一気がつき、愛するお岩。
伊右衛門は、そのお岩の父を殺し、最終的にはお岩をも殺してしまう。それでもお岩は、伊右衛門を愛し続ける。

もうひとつ。
伊右衛門と同じような不幸を背負った直助。
直助は血の繋がった妹、お袖を愛している。直助もまた、自分の父を殺し、お袖の夫を殺す。お袖は直助を愛しながらその事実を知らず、その事実知ったときお袖は自殺する。

そして直助はお袖の頼みをきっかけに、伊右衛門を殺す・・・。

おそらく伊右衛門は、お岩も直助も愛していたと思う。
とても悲しいお話。

大正という時代設定が、少し特殊な空気を生んでいました。実はよく知らなかったのですが、大正時代はたった14年間だけ。その間に起こったことといえば、関東大震災。
実はこの芝居の最後に関東大震災が起こります。炎の中、伊右衛門が大正を振り返る。大正とともに、伊右衛門も短い人生を終わる・・・。

ともかく独特な空気感の中、4人が4人とも圧倒的な演技力。
素晴らしい作品でした。

伊右衛門…藤原竜也
お岩…松井 誠
直助…田山涼成
お袖…寺島しのぶ

作:岸田理生
演出:栗田芳宏

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