偶然テレビをつけたら、世にも奇妙な物語をやってました。
しかもちょうど始まったのが藤原竜也が主演の「夜の声」
藤原竜也の声がいいです。内容にもよくあってました。
原作は手塚治虫なんですね。
どうりでちょっと考えさせられるストーリーなわけです・・・。
社会で成功をおさめている男が、ストレス発散のためか心のバランスをとるように週末だけホームレスとして生きている。
途中で「自由」についてのセリフが出てきます。
成功している男は、「俺はがむしゃらに働いて自由を勝ち取った」
でもホームレスの男の方に好意を寄せる女は、ホームレスの男の方が自由だと言う。
確かにストレスに押しつぶされそうになりながら生きている社会と、それとは無関係な社会。
現実的にあるかもしれない話。
なぜか、ドラマではホームレスのビニールシートで作られた小屋に入ったり出たりする時に、わざわざ時空がゆがんだ空間を通り抜けるようなエフェクトが入ります。
ストーリー的には不要だと思うのですが、「世にも奇妙な物語」の世界観にマッチさせるために必要だったのかと思います。
これがないと、本当にあるかもしれない悲しい話になってしまう。
異次元に行く演出によって、パラレルワールドとして物語が描かれていることになります。
社会の頂点にいる男と、社会の底辺にいる男
ストレスや重圧に生きる世界と、ゆったり他人とあまり関わることなく生きる世界
ストーリーとしては最後に小屋が消えてなくなるところだけは非現実的ですが、それ以外に同一世界で起こっていることとして何の矛盾もないので、このエフェクトを入れて二つをしっかり分けて、「奇妙な」世界を作ったのだと思います。
それにしても、考えさせられるストーリーです。
現実社会でも、仕事ができる人ほどプレッシャーがかかるというのはよくある話で。
精神的に余裕がなくなって、心を病んでしまう人も多いです。
それに「自分より社会的立場が上の人」にはなかなか心を許せない場合が多いです。
自分を卑下して卑屈になってしまったり。
だからこそ、「過去に傷をもった女性」が「会社社長」より「ホームレスの優しいおじさん」に惹かれるということもあるのかもと思わせました。
最後まで女性は男がホームレスのおじさんと同一人物であることを信じませんでしたが、仮にもし信じたとしても二人はうまくいかなかったと思います。
それは女性が好きになったのは「優しいホームレスのおじさん」であって、「ストレス解消のために週末だけホームレスの暮らしをしている会社社長」ではないからです。
でも・・・
どっちが本当の男の姿だったんでしょうね。
もしかしたらホームレスの男の方こそ、本当の姿だったともいえるような気がします。